「WTOは死んだ」とも言われる。ドーハラウンド交渉は頓挫し、紛争解決の上級委員会は機能停止し、トランプ関税等の各国措置はWTO協定の基本原則を蔑ろにしているように見える。しかし、米国やEUなどの主張を読み解くと、WTO協定を基礎に自国の政策を正当化するロジックを作り込み、実質的に新たな国際貿易秩序のルールを構築しようとしている。本セミナーでは、長年、多国間通商外交の現場で活躍された元WTO事務局参 ...
米価を下げようとした前政権と違い、新農水大臣は「物の値段は市場で決まるもので行政は価格に関与しない」という元の農水省の立場を繰り返している。
In the midst of the third artificial intelligence (AI) boom that began in 2013, the term "AI" became widely used across society in 2015. RIETI organized a number of AI-related events such as BBL ...
近年、米中対立の激化、サプライチェーンの混乱、そして急速な技術革新により、国際情勢は深刻な不安定さを増している。こうした状況の中、日本と韓国は共通の安全保障上の脅威に直面している一方、経済面では互いに補完し合える強みを有している。 本講演では、ソウル大学経済学部のキム・ビョンヨン名誉教授をお迎えし、両国が資源を連携・活用することで、地政学的ショックの安定化に寄与し、経済発展にもつながる可能性につい ...
しかし少子化が続く中、労働力を中心とした供給力の増加は持続的ではない。労働力依存から資本利用への転換が必要である。王道はデジタル技術を利用した省力化だ。この点はアベノミクスの時代から認識されていて、ワークライフバランス重視や最低賃金の引き上げは、安易な労働力依存から資本への転換を促す政策だったと言える。
日本を訪れる外国人旅行客数は4000万人を超え、その消費額は9兆円を上回り、それぞれ2025年に過去最高となる見通しとなった。ただ、その反面オーバーツーリズムもあり、インバウンドを「量から質へ」また「都市圏から地方圏へ」と転換していくことが求められている。本BBLでは、本年6月まで観光庁MICE参事官であった石川 ...
中国の一帯一路構想は、各国の国際的な経済・政治関係を再構築し、グローバル・バリューチェーンを再編してきた。本コラムでは、中国と協定を締結して一帯一路に参加した国への直接投資が、投資国と中国との経済的・政治的関係を基にした戦略によって多様な反応を引き起こしたことを明らかにする。例えば、米国は一帯一路参加国への投資を増加させたが、これは主として中国への戦略的な対抗のためであろう。一方、英国は投資を縮小 ...
日本経済は、労働力不足とインフレーション、AI・ロボットに関する新技術の進展、中露と西側諸国の対立、トランプ政権の米国第一主義など、大きな転換期にある。 この時代の画期において適切な経済政策を構想するには、過去30年の長期停滞期の単なる延長線上ではなく、より長期的な視点を持つ必要があり、また近年の日本経済最大の病理である物的・人的投資停滞をいかに打破するかに答える必要がある。 このような問題意識か ...
「RIETI-TID(RIETI Trade Industry Database)」は、国連Comtradeのデータを使用し、東アジアの製造業の活動を把握する観点から、域内で貿易取引が活発な産業に焦点を絞りつつ、全ての貿易財を日本の ...
1はじめに:デジタル人材の育成と問題点 今、日本では、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)と呼ばれる強力なプラットフォーマーに対する規制が議論されている。
本稿の目的は、日本の金融仲介コストを長期推計することである。Philippon (2015)、Bazot (2018a) は、金融仲介コストを、金融業が非金融部門に対して提供した金融仲介サービス額(分母)と ...